富士五湖の一つ、山梨・山中湖には冬に飛来するオオハクチョウなどとは別に約50羽の白鳥が定住し、日本の「白鳥の湖」と呼ばれます。この呼び名は地元の人たちの50年近い努力の賜物でもあります。
「山中湖を白鳥の湖にしよう」。高度成長期の真っ只中、山中湖の環境汚染を心配した地元有志のこんな呼びかけを機に湖に白鳥がやってきたのは1968年のことでした。山口県宇部市からコブハクチョウとコハクチョウのつがい、計6羽を買い受けました。
オオハクチョウらとともに、北国へ旅立つコブハクチョウもいましたが、徐々にその数は増えていきます。当初山中湖村役場職員が給食で余ったパンなどを与えていました。それが、湖畔で民宿を営む羽田三二さんが98年に飼育ボランティアに加わり、今は羽田文男さんはじめ数人が世話をしています。
冬が去り、山中湖に遅い春が来ると、巣作り、そしてヒナの誕生です。巣の見守りや外敵監視など気苦労は多いけれども、飼育ボランティアには楽しみな季節です。三二さんが作成した資料によると、人間が直接卵やヒナに触ると親が育児放棄するそうです。春に山中湖を訪れる際は卵やヒナに触れぬよう注意してくださいね。
<プロフィル>
わたなべ・いくこ エフエム富士出身。現在はFM局で構成するJFNほか、TV、雑誌、ウェブでアウトドアと温泉の魅力を発信中
◇
局アナnetはテレビ局やラジオ局に「局アナ」経験を持つアナウンサーのみが登録できる日本初の会員組織。転職支援やキャリアアップのコンサルティングサービスを行っています。関連サイト(http://lt-j.com/)では、関連動画がごらんになれます。
★通販サイト向けサービス「局アナnetリポート動画」(http://www.kyokuana.net/)をスタートしました。