この2つの相談には共通点があります。それは「私がこんな酷い目にあっているのでなんとかしてほしい」という話ではなく他者を攻撃せずにはいられない人を見てザワザワしているという点です。人をむやみに攻撃するような人間は懲らしめないといけない、という勧善懲悪的な気持ちもあるのかもしれません。故意に人を傷つけるような人に対して憤りを感じるというのはわかりますが、その人たちに「そんなことやめろ」と働きかけてもほとんどの場合は無駄に終わるでしょう。
他人をわざわざ傷つけるようなことを言ったりやったりする人は、太古の昔から社会に一定数必ず存在しています。そのつもりはなくても人を傷つけていることだってあります。誰もが豊かで幸福な時代になれば、他人を傷つける人はいなくなるでしょうか。僕にはどうしてもそうとは思えません。むしろ「誰も絶対に傷つかない世界」があるとしたら逆に怖いですね。正直な感想が人を傷つけたり、大半の人には正しいと思えることが一部の人にとっては受け入れがたいことだったりもするのが世の中です。
と言ってしまうと何の解決にもならないのですが、僕は人を攻撃する人は人から注意されたり懲らしめられたりしなくても、すでに罰を受けていると思うのです。限られた貴重な時間を、呪詛の言葉を吐くという何も生まない行為に使わずにはいられないということ自体が懲罰のようなものです。