「学級通信を出して」はモンスター発言か?
3.その要求は、本当に子どものためか?
▼ケース2
「○○先生みたいに、学級通信を出してください」
前担任の○○先生は、若く熱心な先生で、学級通信を毎日発行しており、それで学級の様子がよくわかりました。しかし、今回のベテランの担任の先生は学級通信を出さない模様。
そこで、ある熱心な親が「(ベテランの)先生も毎日出してください。○○先生は、毎日出していましたよ? 子どもたちのためにやる気を出していただけないでしょうか」と伝えました。
さて、この要求の問題点はどこでしょう? ここまでの事例演習を振り返り、問題点を指摘してみてください。
要求のポイントを「子どもの困り感」と「正当な理由」の切り口で見ていきます。
親は大変熱心で「学級の様子を知りたい」という要求を持っています。そのこと自体は悪くありません。けれども、それに「子どもたちのために」という理由を後付けしていることで、問題をすり替えているような印象が残ります。言われた側としては、要求と理由がねじれているため、なぜそうすべきかやや納得がいきません。