「1000円で買えるTシャツで満足」という人もいれば、「ハリウッドセレブが着ていたワンピースを海外通販で手に入れた」という人もいる。消費者には多くの選択肢が与えられ、そこそこおしゃれで、そこそこ値の張る“無難な服”の需要は下がっていったのだろう。
それぞれに個性を出してはいるものの、同業他社のブランドとの差はさほどない。多くのブランドがひしめく「婦人服フロア」には、去年は“ミモレ(ふくらはぎ)丈スカート”を並べ、今年は“ガウチョパンツ(半端丈のフレアパンツ)”をこぞってそろえる。
毎シーズン、各ブランドの似たような“流行の服”が横並びに売られている状態だ。強烈な個性を持たないブランドが売るそれらは画一的に見え、「百貨店で売っている服って、面白みがないのよね…」「同じような服ばかりで楽しくない」という声が聞こえるのも当然だろう。