鹿児島県の口永良部(くちのえらぶ)島の新岳(しんだけ)の爆発的噴火では、過去の経験を踏まえて安全対策が取られ、一人の犠牲者も出なかった。しかし、国内には箱根山や富士山など観光地として人気の火山が多く、旅行の途中で災害に巻き込まれる可能性もある。事前に火山の状況や避難場所などの情報を収集しておけば、いざというときに落ち着いて行動することができる。(村島有紀、油原聡子)
国や自治体が発信
温泉や過去の噴火でできたカルデラ湖など観光資源が多い火山地域は、多くの旅行者が訪れる身近な場所だ。「災害は身近で起こると理解することが大切。出発前と到着後には必ず火山情報の収集を」。JTB総合研究所観光危機管理研究室の河野まゆ子主任研究員はこう話す。
国内の火山の活動状況や噴火警報・予報の最新情報が気象庁のホームページ(HP)に掲載されるほか、現地の観光協会などでもHPで火山情報を発信している。
各地の自治体のハザードマップが確認できる国土交通省のポータルサイトもある。栃木県の那須岳など、噴火の前兆現象などを解説した火山防災マップを地元の自治体がHPに掲載している地域もあり、出発前に入手できる。