その後、年齢による区分の細分化で98年に成人映画はR-18に、さらに名称変更で2009年にR18+になった。日活ではこの2作品がR15+指定に緩和されたことについて「映倫の審査基準が甘くなっているわけでなく、エンターテインメント性などが再評価された結果」と分析。広くロマンポルノ作品の素晴らしさを認知してもらおうと、他作品についても再審査を求めていく。
新たな俳優の発掘や現役監督の新境地にも期待
ロマンポルノが果たした貢献で忘れてはならないのが、日本映画界を支える映画監督や女優らを多く輩出したことだ。故人では神代(くましろ)辰巳、曽根中生(ちゅうせい)、田中登、相米慎二、森田芳光ら。現役監督では金子修介、崔洋一、滝田洋二郎、石井隆…と枚挙にいとまがない。女優では白川和子、宮下順子、水原ゆう紀、美保純らが活躍した。
新作について高木さんは「まだロマンポルノに手を染めていない現役監督を人選および調整中」としており、女優らキャストについてはオーディションなどで決めたいという。