■院長に話を聞いてみた
体が温まったところで、酵素風呂についての詳しい話を院長の城田裕先生に聞くと、
「酵素風呂を始めたきっかけは、来院される患者さんの体を温めることが目的でした。冷え性や肩こりで相談に来られる方が多く、健康促進のために目を付けたのが酵素風呂だったんです」とのこと。
「電気などは一切使用せず自然発酵による熱を利用しているので、酵素とおがくずを撹拌(かくはん)させなければいけません。少量のお湯を入れて鍬でかき混ぜながら、温度を調節するのです。ですから、最初の仕込みには3、4時間くらいかかりますね」というから驚きだ。
また、酵素風呂には“ぬか”を使う方法もあるのでは、という質問に対し「それもありますが、やはり檜の香りが楽しめるというところも重要視しました」と。確かに、檜風呂に入っているような気分が味わえた。
よく利用する年齢層については、「かなり幅広いですね。実際は赤ちゃんも入酵が可能なので、親子で来られる方もいらっしゃいますよ」と説明してくれた。
入酵のペースとしては、「本当は毎日でもいいのですが、難しいですよね。だから週1、2日くらいが理想でしょう。好きな方は週3日も来られる場合があります」ということなので、無理なく自分のペースで入るのが良さそう。
■メンテナンスについて
いくら専用のスーツに身を包んでいるからといって、やはり他人の入った後は気になるところ。
それについては、「もちろん衛生上の問題も考えて一度他のお客様が入られた後は、半分以上中身を入れ替えています。そこから温度を調節し直さないといけませんので、40分くらいは撹拌作業が必要ですね。人が入っている時間より、撹拌作業の方で時間を取られます」とのこと。
「一度に入れ替えるおがくずの量は約8kg。すべて国産の物を使っていまして、捨てることになる分は、農園などをされている方が『いい畑の肥料になる』といって引き取られることもあります(笑)」と話す。
すべてが自然由来で、さらに自然に帰る。なんとエコな健康風呂だろうか。