薬を飲む時刻になったらアラームで通知▽薬の服用状況を自分で記録し、達成率や残薬量、飲み忘れ分の薬の価格を画面で確認-といった薬の正しい服用を促す機能もある。開発担当者の岩崎朋幸さんは「医師や薬剤師が飲み忘れの状況を把握できるため、服薬指導を行ったり飲みやすい薬に変えたりできる」。同サービスは中央区内の店舗で実証実験を行い、秋頃からの全国展開を予定している。
買い物ついでに
東日本大震災をきっかけに平成23年、電子版お薬手帳のサービスを導入したのは調剤薬局大手の日本調剤(千代田区)。深井克彦取締役は「お薬手帳を持たないで避難した被災者が多かったが、本社に残っていたデータを基に必要な薬が処方でき、電子データの有用性を強く感じた」と説明する。
全国に約500店ある同社の薬局では、薬と一緒にQRコードが印字された領収書を渡している。利用者がQRコードをスマホや携帯電話のカメラで読み取るだけで処方された薬の種類や医療費などのデータが保存される。蓄積されたデータはスマホやパソコン、タブレット端末などでいつでも確認できる。今後、飲み合わせや服用について助言を受けたり、ジェネリック(後発)医薬品の情報などを確認できる新機能も検討しているという。