また、ラットに果糖を多く含む食事を10週間与えたところ、対照群に比べて高血圧や脂質異常、高尿酸血症が多かった。別のラットの実験でも果糖の摂取はブドウ糖よりメタボへの影響は大きく、腎障害にも関係していた。
仲川特定准教授は「果物ではなく、特に高果糖シロップの異性化糖の場合は大量に摂取してしまう可能性があり、注意して避けることが望ましい」と呼び掛ける。
日本では年々、砂糖に比べ、異性化糖の需要量は増加傾向にある。清涼飲料水や菓子類、調味料など幅広く加工食品に使われているためだ。ただし、イギリス、フランス、イタリアなど欧州では異性化糖はほとんど使われていない。食品の成分によく注意し、まずは取り過ぎを控えることが大切だろう。
■米国の高果糖コーンシロップ
トウモロコシの生産量が多い米国では高果糖コーンシロップが大量に生産されている。清涼飲料水や菓子類、パン、ヨーグルトなどさまざまな食品に幅広く使われている。しかし、清涼飲料水を水代わりに多量に飲む小児らが、砂糖や果糖の影響から過度の肥満になっているとされ、米飲料協会は2008年から公立小中学校での販売を停止している。ニューヨーク市では清涼飲料水などの473ミリリットル以上の大量容器の販売を禁止する予定だったが、同協会が提訴し、無効との判決が出たため、市側が控訴するなど行政も対策に乗り出している。