「買い付けるのは国際品質評価で85点以上のスペシャリティーコーヒー豆ばかり。ワインと同じ農産物で、産地や農園、年によって香りや味わいが異なる。『苦いだけでおいしくない』と思っていた消費者にコーヒーの本当のおいしさを知ってほしい」と浅野さん。
コーヒーは、いれ方でも香りや味わいが違う。同店のおすすめは、紅茶のようにコーヒーの粉に湯を注ぎ、金属フィルターを押し下げて抽出するフレンチプレス。甘みや香りが際立ち、豆全体の魅力を味わうのに適しているという。
講習会も盛ん
コーヒー業界では、米国でのアメリカンコーヒーなどの普及を「第一の波」(19世紀末~1960年代頃)、スターバックスに代表されるラテ文化を「第二の波」(2000年頃まで)、豆の個性を最大限に引き出し、ワインのように品種や土地、個性を味わう文化を「第三の波」(2000年~)と呼ぶ。第三の波は日本にも到来。商社の兼松(港区)でコーヒーを担当する江藤雄介さん(35)は「10年ほど前からブラジルの農園と取引し、年間2千トン輸入しているが、非常に評判が良い。産地の持続可能性を考えて取引することで品質が高まるようだ」。