2013.1.27 18:00
大学生と高校生の就職内定率【拡大】
「就職氷河期」の要因を特定するのは難しいですが、一般的に言われる「学力の低下」「ゆとり教育の影響」などは、世代全体にかかわることなので、就職氷河期との関連は弱いと考えます。要因はむしろ外部環境にあるでしょう。
一つ目の要因は、「大学生が増えている」こと。大学の新設ラッシュなどにより、事実上の大学全入時代になり、大学生の数が増えることで、内定倍率が上がってしまいました。
二つ目は、学生の大手志向です。リーマンショック後に、中小企業による内定取り消しが多かったことが、大手志向に拍車を掛けたものと思われます。
このように、時代背景が現在の就職活動生を苦しめています。明るい情報として、ここ2年間は、求人倍率が微増しています。追い込まれた学生たちが大手以外の企業に目を向け始めたことが原因と考えられています。しかし、まだ厳しい状況には変わりませんし、学生の心理状態は改善していない、というのが実感です。