東京・大阪のリアルな「通勤通学」事情 半数が片道1時間超、解決策はないのか
提供:@DIME総務省が行なった「平成23年社会生活基本調査」によれば、通勤時間が最も長い都道府県は神奈川県の1時間40分。次に1時間34分で埼玉県と千葉県が続く。ちなみに東京都は1時間30分で4位、大阪府は1時間18分で7位となっている。
マクロミルは、東京都内・大阪府内に通勤通学している人を対象に、通勤通学電車の状況について尋ねた。「満員電車」の解決案や、電車におけるマナーについても調査した。調査は、20歳~59歳の男女で東京都内・大阪府内に電車で通勤・通学をしている人を対象に実施。有効回答数は2000人。
■東京・大阪への電車通勤通学者、50%以上が通勤通学に片道1時間以上かけていることが明らかに
東京都内・大阪府内に電車を使って通勤通学をしている人2000名に、通勤通学の状況について尋ねた。通勤通学時間を聞いたところ、片道「1時間程度」が20%で最多。「40分~45分程度」18%、「50分~55分程度」13%と続くが、1時間以上と回答した人を合計すると全体の50%以上に(東京55%、大阪45%)にのぼった。また、通勤通学時間のうち、電車に乗っている時間も聞いたところ、「30~35分程度」が18%で最多だった。30分以上と回答した人を合計すると64%にのぼる。東京・大阪に通勤通学している人のうち多くが、1日1時間以上を電車の中で過ごしていることがわかった。
■東京86%、大阪74%が通勤通学時に「満員電車」に乗っていると回答
通勤通学時に「満員電車」に乗ることがあるかどうかを尋ねたところ、東京への通勤通学者の86%、大阪への通勤通学者の74%が「乗ることがある」と回答した。また、電車の混み具合を尋ねたところ、最も多かったのが東京・大阪とも、「手足は動かせるが、身体の位置は変えられないレベルの混雑」で26%(東京30%、大阪23%)にのぼった。10人に1人は「まったく身動きが取れないレベルの混雑」を経験していることもわかった。
■電車で何らかのストレスを感じる人は95%
通勤通学電車でストレスを感じる内容について尋ねたところ、95%が何らかのストレスを感じていることがわかった。ストレス内容の1位は「満員電車・混雑」で46%にのぼる。次いで、2位「乗降時に出入り口等から動かない乗客」44%、3位「他の乗客のにおい(汗臭さ・香水など)」43%、4位「ヘッドホンからの音漏れ」37%、5位「電車の遅延」37%と続いた。
通勤通学電車の混雑を緩和するためのアイディアを自由回答で募ったところ、『フレックスタイム制の導入』『時差出勤』『在宅勤務制の導入』など、“企業における働く時間や働き方の柔軟性の導入”をあげる人が最も多く、全体の31%(613名)にのぼった。次いで多かったのは、『電車の運行本数を増やす』『連結車両数を増やす』『複々線化を進める』『座席をなくし車両に乗れる人数を増やす』といった、“電車で運べる人数のキャパシティを増やす”という対策案で、全体の22%(438名)がアイディアをあげていた。『電車・ホームの2階建て化』というアイディアをあげている人も50名いた。
その他、『スマートフォンの使用禁止』『リュックサックを背負ったまま乗らない』など乗客マナーの改善(49名)、『定員を設ける』『指定席制度の導入』など人数規制(41名)、『早朝割引制度』などインセンティブ制度の導入(30名)など様々な対策アイディアがあがった。
■満員電車・電車の混雑をなくすためのアイディア(自由回答)より抜粋
・難しい問題ですが、電車は24時間営業にし、仕事の時間を分ける。例えば朝3時から11時までにするとか(46歳男性、神奈川県在住)
・道路交通情報のようなシステムで、首都圏路線の混雑情報を一括表示させる仕組みを作り、迂回や時差通勤を促す。(42歳男性、神奈川県在住)
・電車の車両ごとに混み具合(時間帯や混雑度)の目安表示をする(37歳女性、大阪府在住)
・改札口で乗車番号を発行し末尾の番号別に乗車できる電車が決まる方法。(54歳男性、兵庫県在住)
・早起きキャンペーンなどでオフピーク出勤する人に優遇措置があれば良いんじゃないだろうか。(37歳男性、千葉県在住)
・電車の本数を増やす以外ないと思うが御堂筋線は限界だし、ラッシュ時のみ座席無しの車両でもいいかと思う。(53歳女性、大阪府在住)
・自転車通勤を推奨する(自転車購入費の一部負担や、電車通勤と同等の交通費支給)(29歳女性、大阪府在住)
・社会全体のシステムを変え、自転車などで通える距離において仕事をする(39歳女性、東京都在住)
・満員電車をなくすことは無理だと思う。満員電車内を少しでも快適にするために乗客マナーの向上が必須だと思う。遅延等でいつもよりもさらに満員でもスマホを絶対離さない、雨の日に傘を広げたまま乗ってくる等、他人が不快になる行為を皆がしなければ満員でも耐えられます(43歳女性、東京都在住)
【調査概要】
調査主体:マクロミル
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:一都三県(東京、千葉、埼玉、神奈川)、二府二県(大阪、京都、奈良、兵庫)
調査対象:20歳~59歳の男女で、東京都内、または、大阪府内に電車で通勤・通学をしている人(マクロミル提携モニタ)
割付方法:東京都内への通勤・通学者1000名、大阪府内への通勤・通学者1000名/合計2000サンプル
調査期間:2016年9月30日(金)~2016年10月1日(土)
文/編集部
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