出羽三山で日本古来の食文化を体験 菊地喜美子

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菊地喜美子アナ

 山形・出羽三山は月山、羽黒山、湯殿山の総称です。6世紀の開山以来、古修験道の霊場として長く信仰の対象となっているこの地に今、多くの外国人観光客が訪れています。

 特に人気なのが精進料理。登拝者が山の神や仏の怒りを招かぬよう魚介や獣肉などの生臭物は使わず、主に山菜やきのこを山独特のしきたりに則った手法で調理しています。ベジタリアンやどんな宗教の人でも食べられる世界に通じる食とされているのです。

 私もさっそく精進料理が出される羽黒山参籠所斎館を目指しました。表玄関にあたる随神門をくぐったとたん、時の流れが違う世界に入ったように空気や景色ががらりと変わりました。秋の紅葉、国宝の五重塔などを堪能しながら歩くと確かに外国人の姿が目立ちます。多いのは欧州からの人だそうです。

 参拝を終え、山頂の斎館に着くと京風公家造りの「勅使の間」でいよいよ精進料理。きのこ料理はじめシンプルですが、一つ一つ味付けにこだわりがあり、歯応えも楽しめます。

 居合わせたオーストリアから精進料理を食べに来たという男女も「全部おいしい!」と大満足の笑顔でした。日本古来の食が世界共通の味となり、人と人をつなぐ。そう実感しました。

<プロフィル>

 きくち・きみこ NHK山形放送局を経て、小学校教師に転身。その後フリーアナウンサーとして、司会をメインに活動。

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