東大女子は結婚できない? “勉強ができてモテる女の子”に育てた母親の裏技
提供:PRESIDENT Online「頭が良すぎると男性に敬遠され、婚期を逃してしまう」
小池百合子都知事、蓮舫民進党代表、稲田朋美防衛大臣など、近頃、女性リーダーが増えました。世界に目を向ければ、EUの命運を握るイギリスとドイツの首相も女性です。アメリカでも11月には初の女性大統領が誕生するかもしれません。
ビジネスの世界でも、女性リーダーの登用が加速しています。日本政府は2020年までに「指導的地位に占める女性の割合」を30%まで高める目標を出しました(現状は約10%)。実際、日本経済新聞社による「人を活かす会社」調査では、企業における女性執行役員の数が、昨年対比で22%も増加。今後、女性が組織を引っ張っていくリーダーの役割を担う機会はますます増えていくでしょう。
このような時代ですから、小中学生の子供を持つ親の多くは、勉強をがんばって頭のいい子に育って社会で大活躍してほしいと願っているに違いありません。それが、息子ではなく娘であっても。ところが娘の場合、頭がよすぎると、かえって親たち(特に母親)は急に不安になることが多いのです。なぜなら、こう思うから。
「あまりデキすぎると男性に敬遠されて、婚期を逃してしまうかもしれない」
なんと前近代的な考えと思われるかもしれませんが、実際、そう悩む親は少なくないのです。『プレジデントFamily秋号』(発売中)の第1特集「発見! 伸びる子の共通点 東大生174人の小学時代」では、東大生にアンケート調査を実施し、回答者を直接取材してきました。そのなかで女の子からよく聞いたのは、志望校を伝えた時、母親から「なにも東大まで目指さなくていいのでは……」と冷や水を浴びせられた、という話でした。
母親たちは途中まで、勉強することを応援してきたはずです。しかし、日本で一番の大学を目指すとなると急に「そこまではいい」と言ってしまう。娘にしてみれば、これまで「勉強、勉強」とアクセルを踏まれ、背中を押され続けてきたのに、急にブレーキをかけられて困惑してしまう。彼女たちは当時の親を「イヤだった」「反発を覚えた」と話していました。
娘を「勉強ができてモテる女子」に育てた母親の裏技
しかし、母の心配もうなずけます。
未婚率を見ると、男性は年収が高いほどその率が下がりますが、女性は逆で、年収が高いほど未婚率は上がります(参考記事 http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2945&page=1)。
東大生が就職活動をすれば、一流企業の幹部候補生として採用されるケースも高いでしょう。そこで実力を発揮できれば、昇進もしていくはずですが、それは子の幸せを望む母親からすればむしろ心配なことかもしれません。
しかし、前出の『プレジデントFamily秋号』の取材で、そんな心配を払拭する子育てを実践する理想的な母親に遭遇したのです。
ある東大女子に取材していたときのこと。母親のことを聞くと、娘に対して「勉強」と「モテ」という異なる課題を上手に両立させるアドバイスをしていて、なるほどなぁと感心したのです。これぞ、これから本格化する女性活躍の時代を生きるシアワセ女子養成法なのではないか、と膝を打ちました。
その東大女子は、明るくて素直で天真爛漫。気配りもできて、とても感じがいい子でした。外面もアイドルのようにかわいらしく、男性からもモテそうです。東大女子というと外見的には地味な印象と思いがちですが、最近は、かなり洗練されています。
その子の母親は、東大を目指してがんばる彼女にこうアドバイスしていたそうです。
「女の子は、体力面では男の子に勝てないから、コツコツまじめに勉強するしかない。髪を乾かしたり、メイクをしたりする時間があるぶん、男の子とは使える時間が違う。時間の使い方をうまくしないといけない」
時間の浪費を許さない効率性重視の姿勢が見て取れます。さすがは、東大生の母です。
リーダーシップ力は「モテ」の秘訣、と母は言う
さらに、リーダーシップの大切さも教えていたようです。
「母からは、『これからの時代は、女の子にもリーダーシップは大事だ』と言われました。小学生の時、学級委員をやったりしていて、『あなたは昔からリーダーシップがあるほうだった』とよく褒めてくれました」
学力もリーダーシップも伸ばす--。まるで男の子の子育てのようですが、女の子ならではの注意も付け加えているのです。ここが、この母親の素晴らしいところだと感じました。
「母から繰り返し言われていたのは、『特に、女の子は空気を読むことが大事』ということです。みんなを引っ張っていくリーダーシップもありながら、気配りもできること、その両方が必要だと。年長者がいたり自分より向いている人がいたりする場面ではサポート役に徹し、逆に、自分が年長だったり、リーダー役が不在だったりときは自分がみんなを引っ張っていくなど、その場その場に見合ったリーダーシップの取り方があると。そして、社会で活躍していくには、勉強ができることが大事なのではなく、周囲の人に気配りができたり、ほかの人の問題を自分のことのように考えられたりする人になることが大事と言われていました」
このような教えを授けてきた母親と、その父親は、地域の人から困りごとを相談されることが多く、その人たちのために真剣に悩む姿を彼女は見て育ってきたと言います。
だからでしょうか、彼女は驚くほど人当たりがよく、人の話に耳を傾けその気持ちに寄り添おうとする姿勢が印象に残りました。まさにモテるオーラが出ていました。
実は、「モテる東大女子」(娘)を育てたこの母親の教えは、近年、注目されている「サーバント・リーダーシップ」に通じるものがあります(参考記事 http://president.jp/articles/-/15523)。
サーバント・リーダーシップとは、通信会社AT&T社でマネジメント教育を行ってきたロバート・グリーンリーフが提唱した「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」というリーダーシップ哲学。サーバントリーダーは、「奉仕や支援を通じて、周囲から信頼を得て、主体的に協力してもらえる状況を作り出す」と言われています。
「モテ女性」は最新のビジネス哲学を持っている
日本サーバント・リーダーシップ協会HPには、サーバント・リーダーシップに必要な特性として、
・相手の立場に立って気持ちを理解する「共感」
・傷ついた組織のメンバーに本来の力を取り戻させる「癒し」
・自分が利益を得ることよりも相手に利益を与えることに喜びを感じる「執事役」
・仲間の成長を促すことに力を尽くす「人々の成長への関与」
などを挙げています。
執事役は「利他性」、人々の成長への関与は「母性」にも言い換えることができます。共感・癒し・利他性・母性……。こう並べてみると、サーバント・リーダーシップに必要な要素はとても女性的です。
ということは、小中学生の女の子の子供を持つ母親は、サーバント・リーダーシップを意識して社会のリーダーとなれる女の子を育てていけばいいのかもしれません。そのことで、「頭脳(勉強)」に加え、「モテ力(愛され力)」もつき、その結果、親が理想とする仕事方面も異性方面も両立できる「大人の女」に育てることができるのです。
そうれば当然のこと、勉強や仕事に邁進する娘に「冷や水」をかけてしまい、関係悪化することもなくなるのではないでしょうか。
(森下和海(プレジデントFamily編集部)=文)
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