それよりも、もっと大きな内政問題は、いま国民の間にある政治家、官僚に対するいらいらした不信感である。
これは言うまでもなく、過去1年半の間、繰り広げられてきた森友学園と加計学園の一連の不祥事である。公文書改竄(かいざん)が明らかとなったり、破棄されたとされる文書が、その後次々と公表されたりしている。さらに安倍首相と加計学園の加計理事長の面談にあたっても、愛媛県まで巻き込み不可解な説明が何度も行われ、国民の不信を逆なでしている。
倫理観にも影響
このような状況において、当事者たる官邸、与党、関連官庁は一件落着と幕引きを図りたがっている。ところがまだ、何も解決されていないと感じる国民との間のギャップは大きい。
騒ぎの元凶となっているこの森友・加計問題は、まさに首相個人と夫人が引き起こした個人的な問題である。このもみ消しのために官僚がどれだけ迷惑を被ったか、有為な人材がどれだけ犠牲になったか計り知れない。
首相を守るためとも思われる官僚の一連の行動は、形になる証拠がないために立証されていないが、首相の「忖度(そんたく)」を受けてやったと多くの国民はみている。