森友文書 「権威失墜」再び…「エリート意識ゆえの慢心」「国会軽視」 窮地の財務省、変わらぬ体質 (2/2ページ)

夜になっても電気が灯る財務省=12日午後、東京都千代田区(桐山弘太撮影)
夜になっても電気が灯る財務省=12日午後、東京都千代田区(桐山弘太撮影)【拡大】

 平成10年の旧大蔵省接待汚職事件も、その強大な権力と無縁ではなかった。金融機関から過剰な接待を受けた見返りに便宜を図ったなどとして、現役職員らの逮捕に発展した。当時の三塚博蔵相が責任を取って辞任。官僚トップの事務次官も事実上更迭され、計112人の職員が処分された。

 事件は金融部門を切り離す「大蔵省解体」の組織改編につながり、13年の省庁再編で財務省へと名が変わった。

 だが、官僚風土に根ざした病巣は深く、岩井教授は「官僚主導時代の昔の体質が残っていた」とみる。麻生太郎財務相は12日、接待汚職とは「本質が全く違う」としたが、岩井教授は「接待汚職でも今回の問題でも自殺者が出ている。いずれも目先を乗り切ればいいという危機意識の欠如があった」と手厳しい。

 八木教授は「必要以上に官邸に忖度し、文書を書き換えるという子供じみたことをした。露見することによって生じるリスクへの想像力も働いていない」とし、「官僚の劣化が進み、官僚機構全体に緩みが生じている」と危惧している。