森友文書 「権威失墜」再び…「エリート意識ゆえの慢心」「国会軽視」 窮地の財務省、変わらぬ体質 (1/2ページ)

夜になっても電気が灯る財務省=12日午後、東京都千代田区(桐山弘太撮影)
夜になっても電気が灯る財務省=12日午後、東京都千代田区(桐山弘太撮影)【拡大】

 国の予算をつかさどり、「官庁の中の官庁」「最強官庁」と称される財務省の権威が失墜した。学校法人「森友学園」をめぐる決裁文書の書き換え問題。識者は背景に「超エリートがゆえの慢心があった」と指摘する。旧大蔵省時代の接待汚職事件では現職キャリアらが逮捕され、信頼回復へ出直しを図ったはずだったが、その「慢心」が再び問われる事態に陥った。

 「財務(省)も劣化した。昔はもっと気骨のある官僚が多かったものだが」

 財務省をよく知る政府関係者はため息をつく。書き換えの最終責任者は理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官。国会答弁と矛盾しないように書き換えが行われた可能性があるという。

 日本大の岩井奉信教授(政治学)は「財務省には最強官庁としての慢心と国会軽視の姿勢があった」と指摘。麗澤大の八木秀次教授(憲法学)も「超エリート意識のなせる慢心があった」との見方を示す。

 「酉の時、難波の大蔵省(おおくらのつかさ)から失火し…」。前身の大蔵省は1300年前の奈良時代、大宝律令で定められた最古の省庁で、その名は日本書紀にも登場する。

 最強官庁の「力の源泉」は、政策を実行するために必要な予算をつかさどっている点だ。

平成10年の旧大蔵省接待汚職事件も、その強大な権力と無縁ではなかった