きょうから確定申告も…国税長官が足かせに 「雲隠れ」半年以上 納税者のクレーム殺到 (2/3ページ)


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 ■「ご苦労おかけする」

 佐川氏は昨年7月に長官に就任したが、慣例の就任記者会見は「諸般の事情」で開かれなかった。産経新聞の個別取材にも「インタビューはお断りする」(国税庁広報広聴課)として、これまで応じていない。

 長官として抱負や課題を述べることなく半年以上が経過するという異常事態。関係者によると、森友問題に質問が集中し、批判が再燃することを避けたためとみられるが、納税の意義を国民に説明し、適正・公正な課税徴収への理解を求める国税庁トップのあるべき姿からはかけ離れている。

 国民に対しては口を閉ざしたままだが、佐川氏は昨年11月、自身への反発が現場の負担になると意識してか、全国税労働組合との団体交渉でこう述べている。

 「現場において納税者からさまざまなご意見が寄せられていることも承知している。職員の皆さんにはご苦労をおかけする」

 ■「信頼損なわぬよう」

 売買契約書など国有財産の処分決裁文書は30年間保存しなければならないと規定されているが、森友学園への売却に至る経緯を記した協議録などは「規則に基づき保存期間は1年未満とされている」として、佐川氏は紙文書を全て廃棄したと説明してきた。

識者「税制への信頼揺るぎかねない」