たこ焼きに天ぷら、すしにパフェ…。本物そっくりの「食品サンプル」が、日本を訪れる外国人観光客の間でちょっとしたブームになっている。キーホルダーなどのグッズを購入するだけでなく、実際に作る体験を楽しむ人が増加。何が外国人たちを引きつけるのだろう。食品サンプルは“大阪発”のクールジャパンになり得るのか。(木村郁子)
プロ仕様の鍋や包丁などを扱う店が軒を連ねる道具屋筋。その中で、ひときわ外国人が出入りする店がある。店先には、こってり炙られた大きな骨付き肉の塊が-。と思いきや、これこそが食品サンプル。製造販売する「デザインポケット」の店内では、サクサクの天ぷらや、おいしそうに焼き上がったサンマや小さなキーホルダーまでずらりと並ぶ。
体験工房は、店から数分歩いたところにある。この日は、米国の観光客ら8人が集まり、約1時間かけて、すしや弁当などを作っていた。「レストランの食品サンプルは、すべて本物にプラスチックコーティングしていると思っていた」と話すのは、米・ペンシルベニア州の会社員、スコット・ガショウさん。マグロとエビのすしに挑戦し、「とても楽しい」と笑顔を浮かべた。
デザイン・ポケット広報担当の坂本和歌子さんによると、以前は欧米からが多かったが、最近は中国やインドネシアなどアジアの人にも人気が高いという。「サンプル作りの体験は約3割が外国人です」と話す。