同紙は、電通の過労自殺についても取り上げた上で、精神的な悩みを持つ人々の相談に乗る公的機関の電話番号を、記事の末尾に記していた。
外国人実習生の過労死は、ほかにも仏紙ルモンドなどが報道。「karoshi」が日本人以外にも広がっている典型例として、海外メディアの関心の高さをうかがわせた。
中国、国内問題に触れず
一方、韓国の中央日報日本語版は「日本政府が作成した過労死白書は世界で初めて」と報じ、白書が示したデータを重視。企業の22・7%に月80時間を超える時間外労働があったとするアンケート結果を伝えた。
合わせて「韓国の労働時間は日本を大きく上回る」とも指摘。昨年1年間の1人当たりの平均労働時間を比較し「韓国の労働者は日本より50日多く働いた格好だ」と、自国の長時間労働に警鐘を鳴らした。
中国の政府系機関紙・人民日報のニュースサイト、人民網日本語版は「日本で『過労死』が頻発 企業の悩みの種に」と題した記事で、やはり過労死白書の内容を報じている。
同紙は2013年に「中国の過労死は日本以上? 『中国の夢』は残業なし?」として、60万人にのぼるとの説がある中国の過労死問題を報道。
だが、今回は「過労死問題は、1980年代後半から日本で注目を集めはじめた」「高度経済成長期に生まれ、30年以上も日本社会で悩みの種となってきた」などと淡々と伝え、国内の実態には触れなかった。