日本沿岸のカツオ水揚げ激減 東南アジア諸国の“乱獲”に危機感 (2/3ページ)

2016.5.22 07:18

 地元で「ケンケン」と呼ばれる引き縄漁がさかんな和歌山県。最盛期は3~5月で、例年ならば、どの港も活気づくが、漁業関係者によると、一度の漁で数匹しかとれない日もあるという。「ケンケンかつお」を前面に売り出す同県すさみ町は今年、4月に開く恒例の「かつおまつり」を中止した。

 同県水産試験場資源海洋部によると、県内主要3港(串本、すさみ、田辺)の3~5月のカツオ水揚げ量は、平成15年は1167トンあったが、26年は72トンと10分の1以下まで減少。昨年は回復したが、135トンと低迷している。

 乱獲が一因?

 カツオは水温20度以上の海を好み、東南アジアなどの中西部太平洋を回遊し、水温が上昇する春の時期に日本近海にやってくると考えられている。

 ただ、世界的な魚食ブームも手伝って、東南アジアを中心にカツオ漁をする国が増加。水産庁などによると、多くが一本釣りの日本と違って、魚の大きさにかかわらず根こそぎ捕獲する巻き網漁が主流だという。同部の担当者は「本来は豊富な漁業資源として利用されてきた。乱獲の可能性はあるが、はっきりと解明はされていない」と話す。

日本や東南アジアの国々でつくる中西部太平洋まぐろ類委員会によると…

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