「管理体制の甘さが要因の一つであり、責任を重く受け止めている。関係者にご迷惑とご心配をおかけし、心よりおわびします」
6日、横浜市内で行われた記者会見で、東亜建設工業の松尾正臣社長は深く頭を下げると、「(社内の)通報制度も作り、不正に対し厳しくやっているつもりだったが、機能しなかった」と唇をかみしめた。
地盤改良工事では、地面に埋め込んだ管から薬液を注入し、粒子を結束させた直径2メートルの「改良体」を1万450個作る予定だった。しかし、改良体は約5700個しかできず、できたものも直径2メートルには満たなかったという。
会見に同席した同社の技術担当者は「強制的に薬液を注入すれば滑走路の路面に影響が出る可能性もあり、工法と土地が合わなかった」と説明した。松尾氏は「できないのであればできない旨の報告をし、早期に他の工法を考えるべきだった」と話した。
松尾氏は「迷惑をかけたのだから是正工事を行い、所定の品を納めたい」と地盤改良工事を続ける意向を示し、「確実な工法を取ると工期が長くなるが、年数がかかってもやらせていただきたい」と話した。
工事は、東亜建設工業などの共同企業体(JV)が約33億円で請け負い、データ偽装が行われた部分にかかった費用は約23億円。国土交通省からは既に支払いが行われており、同社は返還などについて「指示を待ちたい」としている。