ニュートリノは計3種類あり、飛行中に別の種類に変身する性質がある。これは振動現象と呼ばれ、ニュートリノに質量がある場合だけに起きる。
1970年代に構築され、素粒子物理学の土台となった標準理論では、ニュートリノは質量を持たないとされてきた。梶田氏らの観測はこれを書き換える歴史的な発見となり、物質や宇宙の根源を探る研究に多大な影響を与えた。
スーパーカミオカンデは小柴氏が超新星爆発に伴うニュートリノを観測した「カミオカンデ」の後継施設。梶田氏は昭和63年、カミオカンデで観測した大気ニュートリノの数が理論値より少ないことを発表。さらに原因を究明し、日本が得意とするニュートリノ研究を大きく発展させた。
授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計800万スウェーデンクローナ(約1億1500万円)が贈られる。