--論文を撤回すべきでないとする小保方氏について、科学者としてどう見るか
笹井氏「ハーバードのメンバーも撤回すべきではないというスタンスでおり、小保方さんは理研とハーバード両方の立場があるのだろう。この実験が正しいか、正しくないかによって発見の有効性が大きく変わってくるものですから、論理を一度バラバラにして、組み直した方が研究者の姿勢としてふさわしいと思っています」
《検証実験や第三者による再現実験の重要性を繰り返す笹井氏。一方、再現実験をめぐっては、小保方氏も「コツがいる」と説明するなど、成功例の報告はまだない。記者は、再現方法がきちんと明示されないことに原因があるのではないかと問う》
--なかなか再現できない、再現するにはコツがいるという主張は、これまでの研究者でも同じようなことがあり、それらの論文は後々になって捏造(ねつぞう)と発表されることがあった。山中教授も同様のことがあったが、詳しい再現方法を開示することで世界的に認められる研究成果を上げた
笹井氏「2014年バージョンのプロトコール、または(投稿誌に基づく)ネイチャープロトコールをつくる必要性は感じていました。ただ、今回は論文が受理されてから掲載までが予想以上に短期間で、プロトコールの改良が行われなかった」