《博士号を取得したばかりの若手の研究者は、就職先も十分になく、自分の研究を続けられるか否かが所属機関の一存によって決まることも少なくない。理研へ反旗を翻す形でSTAP細胞の存在を強調した小保方氏の動向を、笹井氏はどのように考えているのか》
--小保方氏の不服申し立てをどのように見たか
「率直に言えば心が痛みました。ああいった場に出なければいけなくなった理由は、論文に不備があったためで、共著者としての力不足を感じました。話している内容は、普段から聞いていることと変わりなかったので、率直な思いを語っていたのだと思います」
--笹井氏も再調査を希望するということか
笹井氏「小保方さんの発言は、あくまで調査委員会への反論であったと思っています。両者は不正なのか、ミスなのかということで対立しているが、事実の取り違えをしたというわけではなく、故意かどうかなので、私がコメントすることではない。こうした事態を避けてあげることができなかった、アドバイザーとしての力の無さをわびたいと思っています」
--200回以上成功したということは聞いていたか
笹井氏「何を持って成功したとするかによると思います。小保方氏が200回と言っているのは、多能性マーカーの発現の確認ではないかと思います。キメラ形成能など多能性の解析検証をやったということではない」
--では実験は、何を持って成功といえるのか