スマートフォンの画面を見つめながら歩行する「歩きスマホ」がどんなに危険か。NTTドコモ(東京都千代田区)が「渋谷のスクランブル交差点を横断する1500人が全員歩きスマホだったら」という想定でシミュレーションしたところ、なんと衝突が446件、転倒が103件、スマホ落下が21件にのぼった。結局、青信号の46秒間の間に横断に成功した人は1500人中、547人にとどまった。このCG動画は28日からYouTubeドコモ公式チャンネルで公開されている。
CG制作では、横断する人の身長・体重を日本人の成人男女平均の間をとり、歩く速度は「急ぎ」「普通」「ゆっくり」の3タイプとした。さらに愛知工科大学情報メディア学科の小塚一宏教授の研究にもとづいて、通常時と歩きスマホ時の視野比較(通常時の20分の1)や対象物の認知距離の数値などをより現実的な条件に近づけてプログラム。演算シミュレーションを活用して検証を行った。
結果は、横断者同士がぶつかってあやまったり、倒れたり、スマホを落とすなどのトラブルが続出。青信号の間に横断できなかった人が1500人中1000人近くにのぼって、歩きスマホがいかに危険かを裏付けた。
NTTドコモでは、歩きスマホ防止のために、これまでにホームページや広告のほか「ケータイ安全教室」「歩きスマホ防止機能」などによる啓発活動を行ってきた。CG制作も関心をより高めてもらうためで、SNSなどを通じた広がりで若者層へ「気づき」を与える機会にしたいという。