警察庁が自動運転実験、初の指針案 ドライバー乗車が条件 「完全自動運転」認めず

 
2015年10月、東京モーターショーに出展されたメルセデス・ベンツの自動運転車の試作車=東京・有明の東京ビッグサイト

 警察庁は7日、ドライバーが運転操作しなくても走行できる自動運転車の公道での実証実験について、運転者の乗車や道交法の法令順守などを条件にした初のガイドライン(指針)案を公表。運転者がおらず、ハンドルもない「完全自動運転」は認めていない。

 自動運転車は国内外のメーカーやIT企業が開発を競い、政府も成長戦略の目玉の一つに掲げ、国内でも法制度の整備が課題となっている。警察庁は8日~5月7日に一般から意見を求めた上で指針を策定する。メーカーは既に公道実験を始めており、指針策定で開発が加速するとみられる。

 検討委は、自動運転の法律上や運用上の課題として、事故時の法的責任や運転免許制度の在り方、サイバー攻撃へのセキュリティー確保などを挙げたが、結論は出していない。警察庁が平成28年度中に立ち上げる有識者会議で課題を議論し、法令見直しを含めた制度整備を検討する。