他のミニスーパーと同様総菜が中心だが、食品以外では、当初の予想に反し12ロール入りの大きなロットのトイレットペーパーがよく売れ、日用品の品ぞろえも増やした。
人口集中成長市場
各社が出店を積極化させる背景には、都心部の人口増がある。大阪市の人口(平成30年)は約272万人と10年間で約7万人増加。国勢調査(27年)によると、なかでも西区や北区、中央区などでは、22年比で10%台の増加率で勢いが目立つ。
また、市中心部のオフィスビルの4月の平均空室率(三鬼商事調べ)は2・49%と好不況の水準とされる3%を下回るなど、企業の都心回帰も続く。市の分析では今後約30年、中心部では人口が増える見通しで有望市場の位置付けは変わらない。
また、流通業界をめぐる環境変化もある。
ユニクロなどに代表される製造小売り、コンビニやインターネット通販など他業態との競争激化で、販売額は頭打ち気味のスーパー業界。中でも、かつての稼ぎ頭だった食料品、日用品から衣料品までを扱う総合スーパー(GMS)業態の低迷が著しい。
イオンはGMSの売り上げが想定を下回ったことが響き、31年2月期連結決算は減益。エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの同年3月期連結決算では、傘下のスーパー「イズミヤ」(大阪市)が営業赤字になった。GMSの客数減少で、既存店売り上げが減ったためだ。食品は堅調だが、日用品や衣料品の落ち込みが目立った。
H2Oは14日、イズミヤが展開するGMSの日用品販売事業を分離し、ドラッグストア大手、ココカラファインと設立する新会社に移管すると発表した。実質的にGMS事業を解体し、食品スーパーに注力する。
節約志向追い風に
大阪に先行し、首都圏ではミニ店舗の立地が活発化している。イオングループは「まいばすけっと」や「アコレ」などのブランドで、売り場面積150~200平方メートル規模の小型スーパーを展開。まいばすけっとは17年のスタートから約760店に達した。
食品スーパーの得意分野である総菜や弁当は利益率が高いとされ、小型店でも効率的な出店で安定した収益が見込める。ライフの森下留寿常務は「1号店でのノウハウを生かし、今後の展開につなげたい」と東京都心も含めた出店に意欲をみせる。