【関空再生(中)】蓄積した技術 連絡橋復旧で発揮 (4/4ページ)

新しい橋桁が架設される前の関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)
新しい橋桁が架設される前の関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)【拡大】

  • 新しい橋桁を架設する作業が進む関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)

 完成わずか5カ月

 2月14日未明、連絡橋では、修復を終えた2本の橋桁の設置が完了した。

 設計も含めれば1年半かかる橋桁の製造だが、1本あたり7ブロックに分けて効率的に製造。使えるブロックは再利用した。昼夜の突貫工事で、わずか5カ月で完成にこぎ着けた。

 鉄道では、当初1カ月程度とした復旧見込みを大幅に繰り上げ、被害から2週間後に全面再開させた。JR西日本近畿統括本部の田淵剛・施設課長は「社内やメーカーの専門家をすぐに招集し、早い段階で鉄道橋桁が使えると判断できたことが大きい」と明かす。

 「日本の高い技術力と情熱がここに集結し、想像を超える速さで復旧が進む」。関西観光本部のドキュメント動画「関空、驚異の復旧の全貌」はうたいあげる。

 京大大学院の杉山友康特定教授(鉄道防災学)は「技術者たちがよりベターな方法を導き出した成果」と評価。そのうえで「技術継承の重要さを示したことも教訓の一つ」と話す。

 連絡橋は、4月上旬に全6車線が完全復旧。元の姿を取り戻す。