【関空再生(中)】蓄積した技術 連絡橋復旧で発揮 (3/4ページ)

新しい橋桁が架設される前の関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)
新しい橋桁が架設される前の関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)【拡大】

  • 新しい橋桁を架設する作業が進む関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)

 集まった20社150人

 「もう24時間を切っている」。6日午前、関西支社の災害対策本部は騒然となった。安倍晋三首相が国内線の運航を7日に再開する方針を示したからだ。

 旅客をさばくには、連絡橋の対面通行が不可欠。準備は進めていたものの、残された時間はあまりに少ない。「運航再開に間に合わなければ意味がない」。中村氏は覚悟を決めた。

 手順は考えていた。関空島に入る下り線の破損箇所手前で中央分離帯を取り払い、上り線と連結させる。速度を落とさず車両がスムーズに連結箇所に入る位置で、徐々に車線変更。新たな中央分離帯になる防護柵は1キロ分にも及び、NEXCO中日本からも借りた。

 集まったのは協力会社約20社の150人。鬼気迫る現場となった。中村氏は「計画を詰める暇もなかったが、一つの目標に向け動いていた」と話す。

 7日午前5時10分、対面通行を開始。再開第1便に間に合った。

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