【関空再生(中)】蓄積した技術 連絡橋復旧で発揮 (2/4ページ)

新しい橋桁が架設される前の関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)
新しい橋桁が架設される前の関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)【拡大】

  • 新しい橋桁を架設する作業が進む関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)

 「上り車線が使えたら何とかなる」。通行再開の作業を統括したNEXCO西関西支社保全サービス事業部の中村順部長は希望をつないでいた。「使用可能な部分を最大限活用し、通行を実現する」。NEXCO西、そして道路事業者の鉄則だ。

 蓄積があった。平成27年度から進める高速道の大規模修繕プロジェクトでは、時には中央分離帯を取り払って上下線をつなぐなど、通行止め回避を主眼とした工事方法を徹底してきた。

 一つの成果が、連絡橋の破損から約2カ月前の西日本豪雨。片側車線の橋梁が流出した高知自動車道の立川橋(高知県大豊町)で、残った橋梁の車線を使い6日で対面通行を始めた。「社内で手法が浸透し、立川橋で復旧作業でも有用と確認できた」(同社)

 連絡橋では、船上などからの状況確認や道路上で重量車両を通過させる試験で安全を確認。衝突約12時間後の5日午前1時には、上り線を使った対面通行の検討に入った。

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