菓子店の破綻相次ぐ コンビニスイーツ台頭で経営難 あの老舗や人気店も (4/4ページ)

花園万頭
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 同社は、明治31年創業の老舗和菓子メーカー。代表商品の「ゆず羊羹・柚子最中」はマスコミにも取り上げられなど、贈答品として好評を得てきた。このほか、サブレ、煎餅、黄金カステラ、湖月のわらび餅など多様な品揃えで直営小売店での販売にも力を注いできた。

 しかし、最近は贈答品需要の縮小などにより売上は減少傾向が続き、資金繰りが悪化した。水面下でM&Aによる事業継続を模索したが買い手が付かず、事業継続を断念した。

(5)萬寿堂(石川県)

 萬寿堂(資本金300万円)は10月22日、金沢地裁七尾支部から破産開始決定を受けた。負債総額は約6400万円。

 同社は、昭和40年創業の和菓子製造会社。能登の國の菓子処「萬寿堂」の屋号で営業し、特に「えくぼ大福」は平成6年の全国菓子博で大賞を受賞した。ピーク時には5店舗で売上高が約2億円を計上した。

 しかし、競争激化に加えて、贈答品需要の減少などから業績低迷に陥った。このため、店舗閉鎖で3店舗の運営となった27年6月期の売上高は約4000万円まで落ち込んだ。金融機関に対して返済猶予を要請するなどしていたが、状況を打開できずに事業を停止した。

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