なお、その後パティスリー銀座千疋屋(東京都)をスポンサーとする事業譲渡契約を6月28日に締結し、新たに設立した花園万頭に和洋菓子の製造販売事業が譲渡された。
(2)人形町亀井堂(東京都)
人形町亀井堂(資本金3000万円)は9月5日、東京地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約2億円。
同社は、昭和4年創業で名物「瓦せんべい」のほか、人形焼やおかき類を販売。東京みやげとしても広く知られ、ピーク時の売上高は約4億4000万円をあげていた。最近は、ファッションブランドとのタイアップ商品の展開や、総理大臣の似顔絵を焼印したせんべいを販売するなど販売促進にも注力したが、業績は低調に推移した。さらに、大口顧客との取引が終了したことにより、業績が急速に悪化して平成29年11月に事業を停止していた。
(3)坂尾甘露堂(石川県)
坂尾甘露堂(資本金4000万円、従業員10名)は3月9日、金沢地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約7000万円。
同社は、文化元年(1804年)創業の老舗和菓子店。加賀藩前田家の紋所、剣梅鉢をかたどった大判最中「加賀さま」は伝統銘菓として人気を博し、小松空港などにも店舗を出店してピーク時には5億円の売上高を計上した。
しかし、最近は消費低迷や競争激化などを背景に業績はジリ貧をたどり、平成28年12月期で売上高は2,660万円まで落ち込んだ。先行きの見通し難から破産手続きに踏み切った。
(4)湖月堂(千葉県)
湖月堂(資本金1000万円、従業員25名)は8月28日、千葉地裁八日市場支部から破産開始決定を受けた。負債総額は約6400万円。