アタマプラスCEOの稲田大輔氏【拡大】
講師が効果的に介入
--AIが教師や講師に取って代わって、質の高い教育を誰でもより効率的に受けられるようになるという期待があります。他方、生徒の学びを直接見て助け、教育を改善していくのはAIよりも人間の知能の領域のように思えます。2つの考え方のバランスをどのように図っていく考えですか
「人間の知能もAIも重要で、相互に補完的な関係です。僕は基礎学力の習得には、生身の教師・講師が必要だと信じています。もしかしたら頭のよい上位1%の生徒は参考書やソフトウエアを使って1人で学習を進められるかもしれませんが、ほとんどの生徒には先生に質問しなければならないときがでてきます。もしかしたら、教科や問題そのものについてではない質問かもしれません。彼らが学習意欲を持ち続け、何をどう学ぶか理解するには生身の人間の導きが必要です。アタマプラスではタブレット端末を通じて、手が止まっている生徒、つまずきが見られる生徒、1人で問題が解けそうな生徒を講師に知らせることができるのが最大の強みの一つです。講師はそれを見てAIと生徒との関わりに介入してヒントを提示したり、褒めたりすることで、効果的に子供のやる気と能力を引き出すことができます。僕たちにとって生徒の学習時間を短縮することは重要ですが、それだけではなく、教える人がより良い教師・講師になるのに役立つツールを提供したいと考えています」