「サッカーには夢がある」…再建託された通販の顔 J1長崎、高田社長の大きなビジョン (2/3ページ)

V・ファーレン長崎は、ドイツ1部リーグ、ブンデスリーガのバイヤー04レバークーゼンと育成業務提携。さらなる飛躍を狙う(V・ファーレン長崎ホームページより)
V・ファーレン長崎は、ドイツ1部リーグ、ブンデスリーガのバイヤー04レバークーゼンと育成業務提携。さらなる飛躍を狙う(V・ファーレン長崎ホームページより)【拡大】

 サッカーに託す夢

 「サッカーには夢がある」。試合前日のツイッターで頻繁に使う言葉だ。勝利を願うのは当然として「勝ち負けは夢を達成するための手段」と、目先にとらわれない大きなビジョンを掲げる。

 一つは平和の実現だ。昭和20年8月9日に被爆した長崎を本拠地とするクラブとして「平和の発信」を使命とし、1月に選手、スタッフが長崎市の原爆資料館を訪れ研修をした。「平和の意味は『戦争と平和』だけではない。試合を見に来て楽しいと言うおばあちゃんを見ると平和を感じる」と誰もがサッカーを楽しめる日常の提供を目指す。

 もう一つは地元の活性化。現在、長崎市内の工場跡地に新サッカー場建設を含む、総事業費500億円規模の再開発計画が進んでいる。今年3月。人気チーム浦和との対戦前日に赤いユニホームを着た浦和サポーターが端島(通称・軍艦島)など観光地に大挙した。この光景が再開発構想につながった。敵地の視察にも力を入れ、試合開始2時間以上前から相手サポーターと話す。長崎の宣伝を欠かさず「クラブを超えた交流が地方創生、日本を元気にすることにつながる」と狙いを語る。

「次の夢が続く」