ハリウッド版「ゴースト・イン・ザ・シェル」仕掛け人が語る日本の知的財産を世界に出す方法 (2/3ページ)

フィロソフィア代表取締役社長の藤村哲哉氏
フィロソフィア代表取締役社長の藤村哲哉氏【拡大】

  • 実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」は藤村哲哉氏が手掛けた
  • ハリウッドでドラマ化が企画されている小説「ソードアート・オンライン」

 そこで藤村氏が2006年に立ちあげたのがフィロソフィアという会社。士郎正宗氏の漫画「攻殻機動隊」を海外で映画化したいと考え企画化に乗り出した。士郎氏の漫画だけでなく、これを原作に押井守監督が長編アニメーション化した「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」も世界で人気となったコンテンツ。分類で言えば絶大な「知名度と世界観」を持っている。藤村氏は「スパイダーマン」や「X-MEN」といったマーベル映画の製作総指揮をとったアヴィ・アラッド氏をパートナーにして映画化に取り組んだ。

 もっとも、そこから完成までに「10年かかった」と藤村氏。アヴィ・アラッド氏という世界的なプロデューサーを立てながらも、原作を刊行している講談社やハリウッドのスタジオと話をして、映画化の契約を成立させるまでに3年かかった。そこから企画開発に乗り出し、脚本を仕上げて実際の製作に入るまでに、さらに5年がかかった。「ハリウッドの人たちに言わせると、100億円くらいの製作予算で作られる映画で、企画開発に5年は一般的な年数」と藤村氏。スタジオにゴーサインを意味するグリーンライトの点灯を決断させるには、8人の脚本家による600万ドルをかけての脚本執筆のように、長い時間と投資が必要だった。

 「主演がスカーレット・ヨハンソンに決まった瞬間、アヴィ・アラッドと抱き合いました」。苦労をして権利者から映画化の許諾がもらえ、スタジオに企画を買ってもらえても、起用される主演がまったくの無名であったり、脚本が良いものに仕上がっていなかったりすれば、すべての苦労も水の泡となってしまう。「日本のIPをハリウッドで製作するのは良いことばかりではない。失敗すれば世界中でIPがダメージを受ける」と藤村氏。そうならないために、双方の考え方をすりあわせる作業がIPの売買には必要となる。

いまも海外で映像化が進められている日本のIP

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