ファミリーマートの澤田貴司社長は「ファミリーマートの中に商店街をつくり、揚げ物、焼き鳥、お総菜、中華まん、おでん……といろいろなものをレジの横に出現させるイメージ。どんどん新しい商品を作り、商店街で売っていく」と話す。
こうした総菜強化の背景には、中食(コンビニやスーパーなどで弁当や総菜を購入し、家で食べる)市場の成長がある。2015年の中食市場は約9兆6000億円と、10年で2割以上の伸びを見せた(日本総菜協会調べ)。「CVSシェアを見ると、ファミリーマートは調理パンや調理麺ではシェア1位だが、約3兆円規模の一般総菜では総菜小売りとスーパーに次いで3位。まだまだ低く、シェアを獲得できていない」(澤田社長)という。
レジ横で販売するチキン系の総菜は、コンビニ各社がヒット商品を持つ“激戦区”だ。セブンイレブンは「揚げ鳥」「からあげ棒」、ローソンは「からあげクン」、そしてファミリーマートは「ファミチキ」。さらに16年以降は、ローソンの「でか焼鳥」やセブンイレブンの「炭火やきとり」など、“焼き鳥戦争”も始まりつつある。
CKSでは人気商品だった焼き鳥は、経営統合に伴い売り場から消えていた。「CKSからのオーナーの要望も非常に高かった」といい、CKSのノウハウを活用した焼き鳥を新看板商品として積極的に展開する。既存客層に加え、主婦層もターゲットとし、年間2億本の販売を目指すという。また、ファミチキも売上個数60%増を狙う。