同様に課題となっているそごう・西武は、関西の2店舗をエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングに譲渡した上で、経営資源を旗艦店に集中する。営業赤字の通信販売事業は、「ニッセン」の商品群を、強みであるラージサイズ衣料に絞り込む方針だ。
一連の経営施策や業績の説明は40分余りで終了し、その後の質疑応答では、ヨーカドーの立て直しに株主の質問が集中した。主なやり取りは、次の通り。
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--イトーヨーカ堂の社長が3月に交代し、HD常務だった三枝富博氏が就任した。選任の理由は
井阪隆一・HD社長
「中国でヨーカドーを立ち上げ、約20年間にわたり実績を残してきた。中国市場は、ライフスタイルや消費形態の変化が大きい。そうした中、“モノ”と“コト”の融合を進めるなど事業を機敏に対応させ、好業績を上げてきた」
--三枝氏の抱負は。ヨーカドーの従業員は元気がない。現場を回って改善してほしい
三枝富博・イトーヨーカ堂社長
「やるべきことはやっているが、『言われたことをどうこなすか』に終始していた気がする。お客さまがまた訪れたくなる店になれるかどうか、という視点が大切だ。就任から約2カ月、現場力を立て直す方針で85店舗を回った。『今の時代に求められるのはどんな店なのか』を見すえ、取り組んでいくのが私の使命だ」