経営再建中のシャープ本社(堺市堺区)で4月15日、OB社員の会「社友会」総会が開かれ、昨年の倍以上の約230人が出席した。親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業から送り込まれた戴正呉社長が、経営状況を説明すると申し出たためだ。OBたちは戴社長の弁舌にすっかり魅せられたようで「外資の傘下でもいいじゃないか」との声も上がった。(産経新聞 石川有紀)
静まりかえる会場
堺市の新本社1階にある多目的ホールは、今年3月に完成したばかり。「金持ち息子のようにぜいたく」と企業体質を問題視してきた戴社長が指揮し、玄関の車寄せスペースを簡素な工事で改築させた。
戴社長は海外の出張先から、テレビ会議システムを通じて出席。液晶モニターに、創業者の故早川徳次氏の写真と創業理念の隣に、戴社長が映し出されると、会場は静まりかえった。
「おかげさまで、業績や株価は着実に回復基調にある。平成29年度は構造改革から競争力強化へと軸足を移し、東証1部復帰に向けて事業拡大に取り組む。より一層のご支援をお願いしたい」
シャープ再建にかける思いを訴えた戴社長。自ら分析したという他社との比較データをモニターに映し出し、経営を語り始めた。