2017.4.23 13:02
M&A戦略による事業再生がコロワイドの成功モデル
コロワイドはもともと甘味処(甘い味の菓子を出す飲食店)だった。蔵人会長が77年に居酒屋業界に進出し、手作り居酒屋「甘太郎」を開業。80年代からチェーン展開を本格化させた。もうけを新店舗に再投資、また出店する地域にセントラルキッチンを設置し、食材調達から食材加工、商品開発などを川上から川下まで一貫して行うマーチャンダイジング(MD)を志向した。
コロワイドは99年に株式店頭公開(現ジャスダック)、00年に東証2部上場、02年に1部に昇格した。コロワイドが急成長のきっかけをつかむのは02年に、居酒屋「北海道」などを展開する平成フードサービスを買収し連結子会社化してからだ。この後、コロワイドはM&A戦略を駆使し、現在までに計17回の買収劇を実現してきた。コロワイドの歴史はM&A戦略と、連結子会社化、会社の商号変更の歴史だといっても過言ではない。コロワイドの成功はM&A戦略による企業再生のビジネスモデルを構築したところにある。
現在、コロワイド傘下の主要事業会社はコロワイドMD、アトム、レインズインターナショナル、カッパ・クリエイトの4社である。ちなみに直営店舗数は1517店舗、FC店舗を含めた総店舗数は2740店舗を数える。売上高は2350億円(2017年3月期通期連結業績予想)で、外食企業の売上高ランキングでゼンショーホールディングス、すかいらーくに次ぎ、第3位に位置する。
コロワイドの蔵人会長は時代の変化に敏感な経営者だ。5年頃から「祖業である居酒屋事業の将来は暗い」と非居酒屋事業にカジを切ってきた。12年に「牛角」などを展開するレインズインターナショナルを買収して、面目を一新した。この頃から都市部の同一エリア内の飲食ビルを一棟借りし、3~5業態を出店する「多業態ドミナント戦略」を展開、1カ所で顧客のさまざまなニーズに応える「総合外食産業」を打ち出した。