日本を代表する総合電機メーカー、東芝が巨額損失を計上することが明らかになった。損失は最大で数千億円に膨らむとみられ、経営がさらに悪化するとみられている。東芝は2015年、08年度から14年度第3四半期までの7年間で1562億円にもおよぶ粉飾決算が発覚。15年度決算では7097億円の営業赤字に転落した。最終赤字は4600億円を計上し、自己資本比率は前年の17.1%から6.1%に減少し、経営再建を進めていた。
ところがわずか1年で、連結子会社の米ウェスチングハウス(WH)で数千億円に上る損失が発覚した。
きっかけはWHが15年10月にCB&Iから買収した米建設会社「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)」ののれん代だった。12月末に買収が完了後、本来あるべき11億7400万ドル(約1326億円)の想定運転資本が実際にはなかったという。
そればかりか、WHの算出値では9億7770万ドルのマイナス。しかもS&Wが建設工事を進めていた米ジョージア州とサウスカロライナ州の工事もS&Wの買収後、この建設を新規に請け負った米エンジニアリング会社「フルアー」が改めて見積もり直すとすでに数十億ドルの損失が発生していたという。