≪STORY≫
■得意分野絞り「最適価格と最高品質」
投資目的でマンションやアパートを購入する人が増えている。金太郎ホームは、低コスト・高利回りの賃貸マンション「ヒルズシリーズ」への投資を提案し、業績を急拡大させている。営業地域を限定し、短い工期・高品質の重量鉄骨造りの建物を提供することで、賃貸マンション経営を黒字化した。
「BEST PRICE&BEST QUALITY」(最適価格と最高品質)。ヒルズシリーズが目指すキャッチフレーズに、佐々木数修都(かずひろ)社長の思いが込められている。
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ヒルズシリーズの販売は、千葉・幕張にある本社から車で30分以内の商圏に限られている。「大きい仕事も断る。小さな仕事も断る。重量鉄骨造りで4~10階建ての中低層賃貸マンションだけを受注する」(佐々木社長)。ターゲットを得意分野に絞り込み、商品力、サービスの向上に磨きをかけた。
具体的には、建物のサイズや規格の標準化、作業効率化を図ることで、品質を落とすことなく工期を同業他社の約3分の2に縮めるなどして、建築コストを3割以上削減した。コストが下がれば、年間家賃収入を土地・建物の調達でかかった費用で割った利回りは上がる。
さらに、資金調達や物件管理、税金対策まで全て請け負う“ワンストップサービス”を売りにして、オーナーからの信頼を得た。
最終的には、土地・建物を売却することで資金回収を提案する。建設会社というより、不動産コンサルタントに近い。「少ないお金でどれだけ多くのお金を生み出せるか。それを積極的に提案する」(佐々木社長)。会社の業績は着実に伸びた。2013年度の第19回「千葉元気印企業大賞」では、奨励賞を受賞した。