損保、安全技術進歩にジレンマ 事故減で保険料、ニーズ落ち込む可能性 (2/4ページ)

損害保険ジャパン日本興亜のスマホアプリ「ポータブルスマイリングロード」では、事故多発地点を迂回(うかい)した「安全ルート案内」といった機能が利用できる
損害保険ジャパン日本興亜のスマホアプリ「ポータブルスマイリングロード」では、事故多発地点を迂回(うかい)した「安全ルート案内」といった機能が利用できる【拡大】

 損害保険ジャパン日本興亜が昨年10月から始めた個人向けスマホ専用アプリ「ポータブルスマイリングロード」は、過去5年間約500万件の事故のビッグデータを解析した機能が特徴だ。事故多発地点をアラートで知らせるだけでなく、事故多発地点を回避しながら目的地まで、通常ルートと同程度の時間で案内する安全ルート案内といった機能がある。

 運送業者などの事業者向けに既に展開している同様の安全運転サービス「スマイリングロード」では事故件数が、導入前後で約2割減少するといった効果が出ているという。

 三井住友海上火災保険は個人向けスマホアプリ「スマ保」を配信。環境にやさしい運転かを診断する「eco安全ドライブ診断機能」や運転傾向を分析した運転適性診断、天候の急変を事前に知らせて注意喚起する運転注意アラート機能がある。

 欧米では、既にテレマティクスを活用した「テレマ保険」が普及している。運転の仕方の違いで保険料が変わるのが最大の特徴で、2020年までに自動車保険の約3割がテレマ保険に切り替わるとの予測もある。

 日本でも、あいおいニッセイ同和損害保険が15年3月に英国のテレマ保険大手ボックス・イノベーション・グループ(BIG)を買収。BIGのノウハウを活用し、商品開発を進めている。

 テレマティクスだけでなく、自動ブレーキや自動運転といった技術面でも安全運転の取り組みが進んでいる。

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