この報道を受けて、ネット上では「ワタミグループと知っていたら入らなかった」、「ワタミを隠すのは良くない」という声などが相次いだ。
一方で、この報道に対して「新業態への転換が消費者に受けたのでは」、「イメージが悪いのだから屋号にワタミを入れないのは企業として当然だ」との声もあり、消費者の受け止め方はさまざまだ。
ワタミ広報は、ワタミ隠しで業績が回復していると指摘されている点について「さまざまな意見があることは承知している」とした上で、新業態の屋号については「ワタミという文字を意図的に隠しているわけではない」と回答した。
過重労働による新入社員の自殺や賃金未払いなどの問題を起こしたワタミは長年にわたって、ブラック企業と批判されてきた。創業者の渡辺美樹氏は、そうした批判を否定する発言を繰り返し、逆に企業イメージが悪化して客離れを招いた。
その渡辺氏が13年に参院選に出馬するため経営から離れ、15年に社長に就任した清水氏は「世間のブラック企業との批判を真正面から受け止める必要がある」と方針を転換。今年に入り、労働組合を発足させるなど、企業体質や労働環境の改善に取り組んできた。
若手女性社員が過重労働で自殺した電通問題が起こり、ブラック企業が改めて問題視されている今だからこそ、ワタミも見かけだけでなく本当に生まれ変わったかが問われている。(黄金崎元)