ホンダジェットに富裕層ビジネスの真髄を見た 宗一郎氏の「夢」はばたくか (1/3ページ)

ホンダジェットの操縦室=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)
ホンダジェットの操縦室=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)【拡大】

  • ホンダエアクラフトカンパニーの生産拠点内で撮影したホンダジェット=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)
  • ホンダジェットの納入スペース内でディナーを楽しむ部屋について説明する藤野道格ホンダエアクラフトカンパニー社長=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)
  • ホンダジェットの納入スペースで撮影に応じるホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)

 米ノースカロライナ州グリーンズボロ市。窓外に見える1枚の葉に自らの命を投影する少女を書いた『最後の一葉』で知られる小説家オー・ヘンリーの出身地の同市に、ホンダの小型ジェット機「ホンダジェット」の生産拠点がある。記者は11月に現地を訪問した。そこで見たのは想像を超えた富裕層ビジネスの実態だった。

 巨大なシャッターのある灰色の建物に入ると、柔らかな照明の中で赤色を基調とした全長約13メートルの機体が機械式駐車場のようなターンテーブルの上でゆっくりと回っていた-。

 ホンダジェットの生産拠点内にある顧客への納入スペースだ。約634平方メートルの建屋2階にはガラス張りの契約書にサインなどをする部屋がある。航空事業子会社ホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格(みちまさ)社長は、「購入しても、機体を上から眺める機会はなかなかないでしょう」と笑顔で話した。

 建屋内には購入者が飛び立つ前にディナーを楽しむ部屋もあった。藤野氏が選んだ絵画やシャンデリアで飾られた室内は高級レストランさながらで、ドアの外にジェット機があるとは思えない。1機485万ドル(約5億7000万円)の買い物をする顧客への演出には驚きの満載だった。

ホンダジェットは現地の経営者らから人気が高い