ホンダジェットに富裕層ビジネスの真髄を見た 宗一郎氏の「夢」はばたくか (2/3ページ)

ホンダジェットの操縦室=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)
ホンダジェットの操縦室=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)【拡大】

  • ホンダエアクラフトカンパニーの生産拠点内で撮影したホンダジェット=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)
  • ホンダジェットの納入スペース内でディナーを楽しむ部屋について説明する藤野道格ホンダエアクラフトカンパニー社長=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)
  • ホンダジェットの納入スペースで撮影に応じるホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)

 ホンダジェットは演出に見合うデザインの高級感や、性能を達成している。7人乗り(パイロット含む)と小型ながら、主翼上にエンジンを配置する斬新な設計で機内空間を広げ、大人の男性が向き合って座っても足があたらない。

 荷室もゴルフバッグが入る容量を確保し、従来の窮屈で利便性の低い小型ジェット機の常識を覆したという。

 さらに、最高時速778キロの高速に加え、機体の軽量化で燃費を向上して航続距離は東京-北京間に相当する2185キロに上る。国土の広い米国などで、「いくつかの州で飲食店を持つ経営者にとってビジネスや私生活で有効に使える」(藤野氏)。実際、ホンダジェットは現地の経営者らから人気が高い。

 ホンダによると、過去10年の小型ビジネスジェット機市場は年平均約270台。うち6割は米国が占める。チェックインカウンターなどの待機時間がなく、大陸内の迅速な移動が必要な起業家や企業経営者らの需要が大きい。

 これに対し、ホンダは自動車生産で培った乗り心地や燃費性能へのこだわりを発揮し、受注はすでに100機を大きく上回る。

ホンダジェットに残された課題とは?