ホンダジェットに富裕層ビジネスの真髄を見た 宗一郎氏の「夢」はばたくか (3/3ページ)

ホンダジェットの操縦室=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)
ホンダジェットの操縦室=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)【拡大】

  • ホンダエアクラフトカンパニーの生産拠点内で撮影したホンダジェット=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)
  • ホンダジェットの納入スペース内でディナーを楽しむ部屋について説明する藤野道格ホンダエアクラフトカンパニー社長=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)
  • ホンダジェットの納入スペースで撮影に応じるホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長=2016年11月11日、米ノースカロライナ州グリーンズボロ市(会田聡撮影)

 創業者の本田宗一郎氏(1906~1991年)の「夢」とされた航空機事業への参入が達成された形だが、課題も残っている。

 最大のハードルが生産ペースだ。藤野氏は今年1月に、16年は約50機を納入する方針を示していた。だが、「部品メーカーの品質の不足や、(顧客の操縦)トレーニングが間に合わないことで納入できないこともある」(藤野氏)という。

 そのため16年は月3機(年36機)程度の生産で、計画よりも納入は遅れている。ホンダは部品メーカーに人材を派遣するなど改善策を講じ、生産を加速している。

 ホンダは17年度に月4~5機まで増やし、19年度には年間100機程度のフル生産に引き上げる方針。八郷(はちごう)隆弘社長は「(航空機事業は)創業者の夢であり、短期で事業になっていると思っていない」と語るが、量産効果で採算を改善して業績を向上できるかが鍵になる。(会田聡)