吉野家「ご当地鍋」、キリン県ごと「一番搾り」… 食品・外食で地域重視路線、セブンイレブンも強化 (2/2ページ)

食品・外食業界などで進む地域重視の商品開発
食品・外食業界などで進む地域重視の商品開発【拡大】

  • キリンビールが開催した来年発売する東京限定の「一番搾り」のワークショップ=6日、東京都中央区

吉野家「ご当地鍋」

 外食業界でも牛丼チェーン「吉野家」が11月に初めて地域限定の「ご当地鍋」の発売を始めた。5つの地域に分けて「北海道みそ鍋膳」など郷土料理や食材を使ったのが特長だ。開発は5つの地域会社が主導。昨年の同時期に投入した「牛チゲ鍋膳」の約2倍の販売を記録しているという。

 一方で、コンビニエンスストアも地域に密着した商品開発を強化している。セブン-イレブン・ジャパンは東京主導で商品開発を行っていたが、昨年から地域の担当者に権限を委譲した。「地域限定品の販売は好調」(広報)。2017年度までに地域限定商品の比率を15年度の1割から5割に引き上げる。

 消費者も全国一律に売られる標準品に飽きている側面があり、「メーカーが商品の魅力や楽しみ方を提案する時代になった」(キリンビール布施社長)との声も出ている。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及で、消費者が地域特性を出した商品を楽しむ傾向も強まっており、メーカーの開発姿勢にも変化が求められている。