ALE(エール、東京都港区)が18年に目指しているのは、人工流れ星の実現だ。17年の年明け早々にも、東北大大学院工学研究科と共同で流れ星のもととなる粒子を積んだ人工衛星の開発に着手。人工衛星から流れ星の粒子を放出する装置の開発も着々と進む。
人工衛星やロボットなどの開発は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が手掛けてきた。原則として宇宙用に認定された特注の部品しか使わないため、納期まで半年以上を要するケースもあり、コスト増の要因となっていた。しかし、民生品を活用しても一定水準の製品が完成するまで技術革新が進んだ。結果として開発費の削減につながりベンチャーが台頭している。
政府向けを中心に展開してきた日本では、年間の市場規模が3000億円程度と横ばいで推移している。こうした中、民間企業によるロケットや衛星の打ち上げを許可制にすることなどを柱とした宇宙活動法が11月9日に成立するなど、巻き返しに向けた動きが本格始動。政府は向こう10年間で5兆円規模の産業に育てることを目指す。
宇宙開発には、打ち上げ失敗リスクへの対処という課題があり、ビジネスモデルが確立されていない。世界最高水準の技術を持つ日本だが、発想力や挑戦力が欠けているとの指摘も根強いだけに、宇宙ベンチャーのさらなる活躍が見込まれる。(松村信仁、山沢義徳)