損害保険ジャパン日本興亜が、火災保険の被害調査に眼鏡型のウエアラブル端末を本格導入して、保険金支払いまでの期間を短縮することが16日、分かった。被害の調査と見積書を作成するのに従来は平均で約1週間かかっていたが、5日程度に短縮する。業務を効率化し、保険金の支払いを少しでも早くすることで被災者の支援につなげる。
ウエアラブル端末は系列のリフォーム会社、フレッシュハウスに導入する。風水害や火災で損保ジャパンの火災保険に入っている住宅などに被害が出た場合、損保ジャパンから紹介を受けてフレッシュハウスが調査と見積書の作成を手掛けている。
今回の仕組みでは、現場で調査する社員がウエアラブル端末を着用。損保ジャパンから出向した専従のオペレーターが、パソコンの画面上で端末から送られてくる映像を確認し、「もう少し視線を上に移動してください」「写真を撮ってください」などと指示を出す。画像も随時確認できるため、その場ですぐ撮り直しができる。
熟知したオペレーターが指示することで、現地調査する社員の経験などに左右されず、効率的に見積書を作ることができる。
これまでは、見積書作成の段階で、撮影した写真や調査にばらつきがあることが課題となっていた。再び現地に出向いて写真を撮り直すなど、手続きが延びて保険金支払いまでに時間がかかることもあった。